公開日: 2025年12月16日(火)


執筆:田上恭由(たがみやすゆき)
株式会社ワイコム・パブリッシングシステムズ 代表取締役 上級ウェブ解析士
西南学院大学卒。記者を経て中古車情報誌編集部で、世界初となるデジカメ画像利用の誌面完全自動制作システムを開発。平成8年に創業し、同システムは情報誌「カッチャオ」の成長を支えた。現在はウェブ集客支援へ移行し、構築700サイト・運営支援130社超の実績を持つ。近年は生成AIによる業務改革支援や研修開発に注力。講演・セミナー実績多数。「チームがみポンランニングクラブ」会長。
【冒頭】 社長、そのハイスペックPC、宝の持ち腐れです。
福岡の経営者の皆様、おはようございます。
「すべてのパソコンをただの『窓』にせよ!」プロジェクト、8日目です。
これまで、NASをやめて、UTMも捨てて、データをすべてGoogle(クラウド)に移してきました。
さあ、いよいよ最後の仕上げです。
社員が毎日使う道具、「パソコン本体」のお話です。
社長、新しく営業マンが入社する時、パソコン代にいくらかけていますか?
Core i5かi7、メモリは16GB、SSDは512GB…。
昨今の円安や物価高もあり、Microsoft Officeを入れたら、1台15万円〜20万円くらい請求書が来ていませんか?
はっきり言います。
その15万円のパソコン、今の御社の業務には「オーバースペック」です。
私たちが推奨しているのは、「2万円台で買える、中古のChromebook(クロームブック)」です。
「えっ、中古? しかも2万円? お金がないわけじゃないんだから…」
そう思われた社長こそ、ぜひ聞いてください。
Chromebookを選ぶのは、「ケチるため」ではありません。
会社を「身軽で強い組織」にするための、攻めの経営判断なのです。
1. 「マイナスをゼロに戻す仕事」を、いつまで社員にさせますか?
Windowsを使っていると、必ず起きるのが「故障」や「トラブル」です。
「パソコンが起動しない」「動きが遅い」「コーヒーをこぼした」「ウイルスに感染したかも…」
そのたびに、システム担当者や詳しい社員が呼ばれます。
彼らは本来、もっとクリエイティブで生産性の高い仕事ができるはずの優秀な人材です。
それなのに、「壊れたものを直す(マイナスをゼロに戻す)」だけの作業に時間を奪われ、上司からは「まだ直らないのか」と急かされる。
これは、会社にとって巨大な損失です。
Chromebookなら、この「お守り」の時間が消滅します。
- 壊れたら?
「あ、そう。じゃあそこの棚から予備の中古(2万円)出して使って」
これでおしまいです。修理なんてしません。2万円ですから、使い捨てです。 - データは?
クラウドにあるので、新しい端末にIDを入れるだけで、壁紙の設定まで含めて数分で元通りです。 - キッティング(初期設定)は?
箱から出してWi-Fiに繋ぐだけ。半日かかっていたセットアップ作業は不要です。
システム担当者は、「修理屋さん」から卒業し、本来の「会社の未来を作るシステム戦略」に集中できるようになります。これこそが本当のコストダウンです。
2. 「Windowsじゃないと仕事にならない」という思い込み
「でも、取引先とWordやExcelをやり取りするし…」
その認識、少しアップデートが必要かもしれません。
- 1600円でOffice互換: Google Workspace(Business Standard)なら、WordやExcelと同等の機能がブラウザ上で使えます。
- そもそも「生ファイル」を送る?: 書き換えられる恐れのあるExcelファイルをそのまま送ること自体、減ってきていませんか? 見積書などはPDFで送るのが今の常識です。
「動画編集」や「高度なCAD設計」など、特殊な作業をする1割の社員には、高いWindowsを買ってあげてください。
でも、メール、チャット、ブラウザでの業務が中心の残りの9割の社員に、本当に20万円のWindowsが必要でしょうか?
Chromebookは、Windowsのように重くなりません。10年前のパソコンでもサクサク動きます。
ウイルスバスターも不要です。
「無駄なものを削ぎ落とした、業務のための純粋な道具」。それがChromebookです。
3. 日本の銀行システムの「罪」と、社長の決裁
唯一のネックが、日本の銀行の「ビジネスバンキング」です。
「電子証明書をパソコンに入れないとログインさせない」
このガラパゴスな仕様のせいで、多くの社長がWindowsから離れられずにいます。
しかし、海外や日本のネット銀行(PayPay銀行など)を見てください。
「スマホ認証」が当たり前です。
パソコンに縛られず、トークンとスマホさえあれば、どこでも安全に送金・承認ができます。
今の日本の仕組みだと、
「出張中の社長は承認できないから、経理担当者にトークンごと預けて、承認ボタンを押させている」
なんていう、本末転倒で危険な運用になっていませんか? これでは横領のリスクを高めるだけです。
「Windows指定の銀行」に縛られず、「どの端末でも安全に使える銀行」を選ぶこと。
これも、社長が場所にとらわれず、自身の目で最終決裁を行う(不正を防ぐ)ための重要な防衛策です。
【まとめ】 「パソコンの買い替え」という一大イベントをなくそう
Windowsを使っている限り、数年ごとにやってくる「入れ替え作業」や「データ移行」の呪縛からは逃れられません。
メールを移し、ファイルを移し、ソフトを入れ直し…。
この「何も生まない時間」に、どれだけの人件費を使っていますか?
Chromebookにすれば、「パソコンの買い替え」は「ただの備品交換」になります。
ボールペンのインクが切れたら新しいのを出すように、パソコンもサッと取り替えて、すぐに仕事再開。
「貧乏人の選択」ではありません。
「賢い経営者の選択」です。
心配なものも、コストも、無駄な作業も、すべて捨てて身軽になる。
「窓しかない、いい会社」を目指して、まずは営業マンの1台から、Chromebookに変えてみませんか?







