【第28回】仕事始め。パスワードを忘れた社員への対処法

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スタッフブログ

【第28回】仕事始め。パスワードを忘れた社員への対処法

2026.01.05

~ すべてのパソコンをただの窓にするプロジェクト ~

2026年1月5日(月)

あけましておめでとうございます。(ビジネス上の) プロジェクト主宰です。

いよいよ今日から仕事始め。 「よし、今年はやるぞ!」と気合を入れて出社した経営者や管理職の出鼻をくじく、「あの言葉」が聞こえてくる時間です。

社員:「社長……すみません……」 あなた:「どうした?」 社員:「パソコンのパスワード、忘れました……」 あなた:「(怒)!!!」

怒らないであげてください。 人間は忘れる生き物です。ましてや、年末の大掃除で「パスワードを書いた付箋」をうっかり捨ててしまった(本当はダメですが)なら、なおさらです。

今日は、この「仕事始めの恒例行事」を、クラウドの力で10秒で解決する方法と、二度と発生させないための根本治療についてお話しします。

昔は「業者を呼ぶ」騒ぎだった

かつて、社内サーバー(Windows Serverなど)でID管理をしていた時代、パスワードのリセットは大変でした。 管理画面を開くためにサーバー室に入り、複雑な操作をするか、最悪の場合、保守業者に電話して「リセット来てください」と頼む必要がありました。 その間、その社員は仕事ができず、ただボーッとしているだけ。大きな損失です。

しかし、今は「パソコンをただの窓」にしています。 ID管理の主導権は、サーバー室ではなく「ブラウザ(Google管理コンソール)」にあります。

10秒で解決する「神対応」

もし今日、社員が「忘れました」と泣きついてきたら、あなたはデスクでコーヒーを飲みながら、以下の操作をするだけです。

  1. スマホ(またはPC)でGoogle管理コンソールを開く。
  2. その社員の名前を検索する。
  3. 「パスワードを再設定」ボタンを押す。
  4. 仮パスワード(例:2026start! など)を発行して伝える。

以上です。所要時間、約10秒。 社員はその仮パスワードでログインし、すぐに新しいパスワードを設定して業務に戻れます。 サーバー室に行く必要も、業者にお金を払う必要もありません。

なぜ忘れるのか? 「覚えさせている」からだ

対処療法はこれで完璧ですが、根本治療もしなくてはいけません。 そもそも、なぜ社員はパスワードを忘れるのでしょうか?

それは、「人間にパスワードを覚えさせているから」です。

年末の記事(第13回・第19回)で何度もお伝えしましたが、人間の記憶力に依存するセキュリティは破綻します。 「定期的に変更しろ」「複雑にしろ」「でも忘れるな」。 これは社員に対する無茶振りです。

今年の目標:「パスワードをなくす」

このトラブルを来年のお正月に繰り返さないために、今日、全社員にこう宣言してください。

「今年中に、パスワード入力を廃止する」

具体的には、「パスキー(Passkeys)」への完全移行です。 スマホの生体認証(顔や指紋)を使えば、「パスワードを忘れる」という概念そのものが消滅します。 「自分の顔を忘れて、家に置いてきました」という社員はいませんよね?

パスキーを導入すれば、来年の仕事始めはこうなります。

  • 社員が出社する。
  • パソコンの前に座る。
  • スマホを見る(顔認証)。
  • ログイン完了。

「えーっと、何だっけ……」と悩む時間が、会社全体から消え去ります。

今日のアクション:優しくリセット

今日は仕事始め。 パスワードを忘れた社員がいても、決して怒鳴らず、ニッコリ笑ってスマホを取り出し、10秒でリセットしてあげてください。

「クラウドだから、すぐ直せるよ。でも次は顔認証にしようか」 そう言えるのが、スマートな「窓化」経営者です。

さて、無事に全員ログインできたら、次は「会議」です。 明日は、議事録作成という虚無の作業を、AIに丸投げして終わらせる方法についてお話しします。

FAQ:休み明けのパスワード紛失と管理者対応に関するよくある質問

Q1. 社員がパスワードを忘れました。管理者は本人のパスワードを「盗み見る」ことはできますか? A1. できません。管理者にできるのは「上書き(リセット)」だけです。 Google Workspaceのセキュリティ上、たとえ管理者であっても他人の現在のパスワードを知ることはできません。管理者ができるのは、新しい仮パスワードを再設定してあげることだけです。これにより、管理者が社員のプライベートな情報を覗き見るリスクが防がれています。

Q2. パスワードをリセットしてあげたのに、本人がログインできないと言っています。 A2. 「仮パスワード」を入力した後に、本人が新しいパスワードを決める必要があります。 管理者が設定したものはあくまで「一時的な鍵」です。本人がそれを使ってログインすると、すぐに「自分だけの新しいパスワードに変えてください」という画面が出ます。そこで本人が新しいパスワードを設定して初めて、復旧が完了します。

Q3. 毎回、管理者が手動でリセットするのは大変です。自動化できませんか? A3. 「再設定用の電話番号・メールアドレス」を各社員に登録させておけば自動化できます。 本人が事前にこれらを登録していれば、管理者を介さずに「パスワードを忘れた場合」のリンクから自分で再発行できます。仕事始めの混乱を防ぐために、昨年末にやっておくべきだった「命綱」の設定です。まだの社員がいれば、今すぐ登録させましょう。

Q4. 「二要素認証(スマホ承認)」に使っていたスマホを買い替えてしまい、ログインできなくなった場合は? A4. 管理者画面から「バックアップコード」を発行するか、一時的に認証をオフにします。 機種変更時に引き継ぎを忘れるのはよくあるミスです。この場合も管理者の出番です。管理パネルからその社員のセキュリティ設定を開き、一時的にログインを許可するコードを発行するか、二要素認証を数分間だけオフにしてあげることで救出できます。

Q5. そもそも、パスワードを忘れないように「付箋でPCに貼る」のはアリですか? A5. 絶対にナシです!代わりに「Googleパスワードマネージャー」を使わせてください。 物理的なメモは、誰かに見られた瞬間にアウトです。第19回でもお伝えした通り、ブラウザ(Chrome)の保存機能を使えば、人間が覚える必要はなくなります。社員には「パスワードは覚えるものではなく、Googleに安全に預けるものだ」という意識を浸透させてください。

監修・執筆:田上恭由(たがみやすゆき)
株式会社ワイコム・パブリッシングシステムズ 代表取締役 上級ウェブ解析士
Google Cloud Partner Advantage 認定代理店。
西南学院大学経済学部卒。記者を経て中古車情報誌編集部で、世界初となるデジカメ画像利用の誌面完全自動制作システムを開発。平成8年に創業し、同システムは情報誌「カッチャオ」の成長を支えた。現在はウェブ集客支援へ移行し、構築700サイト・運営支援130社超の実績を持つ。近年は生成AIによる業務改革支援や研修開発に注力。中小・小規模企業のセキュリティを高めるためのGoogle Workspaceの導入支援にも力を入れている。講演・セミナー実績多数。「チームがみポンランニングクラブ」会長。

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