【第30回】大事なメールがGmailで受け取れない?「なりすまし判定」による不達問題を、追加費用なしで解決する方法

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【第30回】大事なメールがGmailで受け取れない?「なりすまし判定」による不達問題を、追加費用なしで解決する方法

2026.06.17

~ すべてのパソコンをただの窓にするプロジェクト ~

こんにちは。田上です。

はじめに:便利なメール転送が落とし穴に

「会社の代表メールを、個人のGmailに転送して外出先で確認している。でも、最近、一部の重要なメールが迷惑メールに入ったり、そもそも届かなかったりして困っている……」

先日、このようなご相談を頂きました。代表メールを複数のメンバーのGmailに転送しているケースでは、一部のメンバーにだけメールが届かず、業務に支障が出ているというケースもあります。

会社のメールを社外で手軽に確認できる転送設定は非常に便利ですが、実は今、Gmailのセキュリティ強化によって、この「メール転送」がメール不達の大きな原因になっているのです。

今回は、なぜ転送メールが届かなくなるのか、その意外な原因と、追加費用を一切かけずにこの問題を解消する「メーリングリスト」という古くて新しい解決策について詳しく解説します。

1. なぜ転送メールがGmailに届かないのか?

Gmailは、世界中で利用されている非常に優れたメールサービスですが、その反面、迷惑メールやフィッシングメール、なりすましメール対策にも非常に力を入れています。その厳格ななりすまし判定が、転送メールを「怪しいメール」と見なしてしまうのです。

Gmailの「厳格ななりすまし判定」

Gmailがメールを受け取る際、そのメールが本当に送信元として表示されているドメイン(会社など)から送られたものかどうかを確認します。これには、SPF、DKIM、DMARCといった、メールのなりすましを防ぐための国際的な標準技術が使われます。

  • SPF (Sender Policy Framework): メールを送信したサーバーが、そのドメインの正式なメールサーバーとして登録されているかを確認します。
  • DKIM (DomainKeys Identified Mail): メールに電子署名を付与し、メールが途中で改ざんされていないことを証明します。
  • DMARC (Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance): SPFとDKIMの判定結果を元に、なりすましメールをどう扱うか(そのまま受け取る、迷惑メールにする、受信拒否する)をドメイン管理者が指定します。

転送設定が署名を壊してしまう?

多くの企業で、メールボックスの転送機能を使って、受け取ったメールの宛先を個人のGmailアドレスに書き換えて再送信していると思います。この「転送」という行為が、実はDKIMの電子署名を壊してしまうことがあるのです。

DKIMは、メールの本文が一バイトでも書き換えられると、署名が壊れたと判定します。しかし、メール転送の仕組みによっては、ヘッダー情報の一部を書き換えたり、転送元の署名が壊れたりして、Gmail側がなりすましと判定してしまうのです。

また、SPFの情報も転送によって正しく引き継がれないため、Gmailは「このメールは正式なメールサーバーから送られていない」と判断し、迷惑メール判定にしてしまうのです。

2. 特に「大企業のメール」が届かない理由

ご相談いただいた企業さんでも、特に大企業のメールシステムからのメールが届かない、というケースが目立ちました。実は、この大企業という存在をひも解いていくと、この問題が起こる理由も見えてきます。

古いシステムの壁

社員が何千人、何万人、業歴が50年、100年という歴史ある大企業の場合、メールシステムを長年使い続けており、自前で構築しているようなケースがあります。一度構築したシステムを、新しいGmailの厳格ななりすまし判定に対応したシステムに入れ替えるというのは、とてつもない手間とコストがかかります。

サーバーの改修費用だけでなく、社員のメールを滞りなく新しいシステムに載せ替えるという作業は、リスクも高く、とてつもない作業量です。スピードが重視される現代において、メーリングリストを変えたぐらいでは何も変わらないようなものに、たとえ大企業でもコストを払わないというのが、よくあるケースです。さらに、メールの管理システムを自前で運営しながら、当時のシステム担当の方がもう退職されてしまったり、システムそのものがブラックボックス化してしまったりというケースもございます。

メールシステムの移行は、システム担当としては一番やりたくない仕事の一つです。百人いたら百アカウント、百アカウントを移すということは、受け取り側のメールの仕組みも設定を変えないといけない。設定を変えるだけでなく、設定を間違えてメールが取れないといった、あらゆるトラブルにつながりますので、どうしても古いシステムのまま運用されているケースが多いのです。

その結果、大企業からのメールはSPF、DKIMの設定が適切になされておらず、転送メールとしてGmailに届くと、なりすまし判定されてしまうということが、どうしても出てきてしまいます。

3. 追加費用ゼロ!「メーリングリスト」という解決策

では、このメール不達問題をどうすれば解消できるのでしょうか。その解決策は、なりすまし判定を受けない条件でメールを転送することです。そして、その具体的な方法が「メーリングリスト」という仕組みです。

メーリングリストの仕組み

メーリングリストは、チャットワークとかラインとか、チャット系のツールが普及する前は、チームやプロジェクト、全社的な連絡に非常によく使われておりました。メールがメンバーの間に自動で転送されるという、単純ですが強力な仕組みです。

今回のケースで、メーリングリストと一般的な転送設定で何が違うかというと、送信元(Fromヘッダー)の扱いが異なります。

  • 一般的な転送設定: メールボックスが受け取ったメールの宛先を転送先に書き換えて、そのまま送る。Fromは元の送信元のまま。
  • メーリングリスト: 送信元がメーリングリストになります。メーリングリストが、元の送信元のメールを新しいメールとして送信する、ということになります。

つまり、転送ではなく「新規にメールを送る」という形になるのです。

メーリングリストだと判定されない理由

メーリングリストから送られるメールは、メーリングリスト自身の署名やSPF情報が適切に入った、会社のメールサーバーを通った「正式なメール」になります。受け取ったGmail側は、メーリングリストのドメイン(例: [email protected])の署名やSPF情報を確認し、「これはなりすましじゃない。正式に送られた企業のメールだ」と判定し、迷惑メール判定にすることなく受け取りをいたします。これが、メーリスを使ったメール転送の場合の取りこぼしを防ぐ方法です。

4. 今すぐ実践!メール到達率アップのステップ

メーリングリスト機能は、ほとんどすべてのメールサーバーに標準で付いているのが普通です。例えば、年間数百円あまりで使えるさくらのメールサーバーにも、このメーリングリスト機能が付いています。今お使いのメールサーバーには、間違いなくこのメーリングリスト機能が付いていますので、ぜひご活用されてみてください。費用をかけることなく、このメール問題を解消することができます。

メーリングリストの活用手順

  1. メールサーバーの設定画面へ: お使いのメールサーバー(さくらインターネット、ロリポップ、エックスサーバーなど)の管理画面にログインします。
  2. メーリングリストを作成: 「メーリングリスト作成」のような項目から、新しいメーリングリストアドレスを作成します(例: [email protected])。
  3. メンバーを追加: 作成したメーリングリストに、メールを受け取りたいGmailアドレスをメンバーとして追加します。複数のGmailアドレスを追加すれば、全員に同時に配信されます。
  4. 転送元メールアドレスの設定変更: 元々メールを受け取っていたアドレス(例: [email protected])に転送設定を入れるのではなく、そのアドレス宛のメールを新しく作成したメーリングリスト([email protected])宛に転送するように設定します。

さらに到達率を高めるために:SPF/DKIM設定の見直し

メーリングリストを活用する際、合わせて自社のドメインのSPFとDKIMの設定をぜひ見直すことをお勧めいたします。

以外に、この二つが適切に入っていない、というケースもございます。今回担当させていただいたケースでも、DKIMの署名が入っていなかったため、入れました。これによって、自社から相手への到達率もアップするという効果がございます。

IT部門があってもなくても、このメールのシステムというのは、何か問題が起こってからしか中身を見ることがありません。長年の間にわたって、SPFもDKIMも設定がなされていないというケースもちらほらございますので、これを機会にチェックをさせてください。メールが届かないということが、激減致します。

まとめ:インターネットのトラブルは専門家へのご相談を

今回は、転送メールがGmailに届かない問題の原因と解決策として、メーリングリストの活用について解説しました。古くからある単純な仕組みですが、現代のセキュリティ環境においては、追加費用なしでメール到達率を確実に高めることができる、非常に有効な手段です。インターネット上のサービスは日々進化しており、便利な反面、予期せぬトラブルが発生することもございます。

弊社は、ホームページの制作を行っておりますが、ホームページはインターネットで使えるものです。このインターネットを使う上での、問題とか不便とか、障害とかを解消するということを、積極的に行っております。今回のようなメール不達問題だけでなく、ホームページが重い、セキュリティが不安、特定の地域から見られないなど、インターネットに関連するお困りごとがあれば、お気軽にご相談ください。

弊社のクリエイター、そして私自身が内容を拝見して、最善の解決策をご提案、解消に努めております。インターネットをビジネスの味方にし、安心して業務に集中できる環境づくりをサポートいたします。

ぜひ一度何かお困りごとがあればお気軽にご相談ください。弊社のクリエイターわたくしが 内容拝見して解消いたします。

監修・執筆:田上恭由(たがみやすゆき)
株式会社ワイコム・パブリッシングシステムズ 代表取締役 上級ウェブ解析士
Google Cloud Partner Advantage 認定代理店。
西南学院大学経済学部卒。記者を経て中古車情報誌編集部で、世界初となるデジカメ画像利用の誌面完全自動制作システムを開発。平成8年に創業し、同システムは情報誌「カッチャオ」の成長を支えた。現在はウェブ集客支援へ移行し、構築700サイト・運営支援130社超の実績を持つ。近年は生成AIによる業務改革支援や研修開発に注力。中小・小規模企業のセキュリティを高めるためのGoogle Workspaceの導入支援にも力を入れている。講演・セミナー実績多数。「チームがみポンランニングクラブ」会長。

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